この間、息子たちのところに遊びに行って、すごいうれしいことがあったの! 長男のところでステーキを焼いてくれたんだけれど、私の作り方とまるで同じ。ソースの作り方まで。次男のところに行ったら、そこも同じ。まるで自分の家にいるみたいでうれしくて、うれしくて。感動しました。
私が作っている料理は100年前の、祖父の代から受け継いでいるもので、それをお嫁さんたち(女優・上野樹里、食育インストラクター・和田明日香)が引き継いでくれている。料理は「絆」だなと思うし、「料理のDNA」は受け継がれていくものなんだなと思う。家庭料理ってほんとうに大事よね。
初めて「きょうの料理」に出たのは、シャンソン歌手として。料理家でない人たちが自慢の料理を紹介するというコーナー。そのあと(1985年)今みたいな講師のかたちでの依頼があって、私は料理の学校に行っていないし、喉をごっくんと通ったときにおいしいと思えれば料理のプロセスにはこだわらない考え。料理愛好家なの。
「家でやるのと同じようにしか作れませんよ」と言って番組に出て、いつものように湯むきしたトマトを手でつぶしたら、賛否両論の議論が巻き起こっちゃって。番組プロデューサーはかなり困ったみたいね。ところが、しばらくして新聞に「平野レミの料理はユニークで、とても楽しい」という声が載ったら、1回きりの出演のつもりが今日まで続いちゃった。
「きょうの料理」はドライリハーサルがあって、カメラリハーサルがあって、それから本番。丁寧なんだけれど、私はだんだんパワーがなくなっちゃう。本番が一番元気がなくなるの。だから今度「20分で晩ごはん」に出るときは「カメラリハーサルなしでぶっつけ本番でやらせて」って言おうと思ってる。もし途中で失敗したら「ごめん」って正直に謝ってやり直せばいいのだし。恥ずかしいことなんてなにもない。失敗もあれば、成功もある。それが家庭料理というものじゃない?
私のことを「歩く放送事故」って言う人もいるみたいだけれど、私がテレビに出ると「レミが出るぞ。待機!」っていっせいにツイッターで拡散されるんですって。料理は楽しむもの。テレビを見ている人と一緒にその気持ちを味わいたいですよね。
(編集部・石田かおる)
※AERA 2017年11月13日号
「きょうの料理」はドライリハーサルがあって、カメラリハーサルがあって、それから本番。丁寧なんだけれど、私はだんだんパワーがなくなっちゃう。本番が一番元気がなくなるの。だから今度「20分で晩ごはん」に出るときは「カメラリハーサルなしでぶっつけ本番でやらせて」って言おうと思ってる。もし途中で失敗したら「ごめん」って正直に謝ってやり直せばいいのだし。恥ずかしいことなんてなにもない。失敗もあれば、成功もある。それが家庭料理というものじゃない?
私のことを「歩く放送事故」って言う人もいるみたいだけれど、私がテレビに出ると「レミが出るぞ。待機!」っていっせいにツイッターで拡散されるんですって。料理は楽しむもの。テレビを見ている人と一緒にその気持ちを味わいたいですよね。
(編集部・石田かおる)
※AERA 2017年11月13日号